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「不動産投資」入門編! まずは失敗を防ぐポイントを整理

「不動産投資」管理の重要なポイント(第1回)

公開日:2019年2月28日

この記事の概要

  • 不動産投資が上手く行くためには、収入を増やし支出を減らす必要があります。必要にしてかつ過分でない経費をかけつつ家賃収入を最大限にするには、管理について知ることが不可欠です。賃借人対応や建物の維持管理など、失敗しない賃貸経営のポイントを紹介します。

「不動産投資」入門編! まずは失敗を防ぐポイントを整理のイメージ図

1.「不動産投資」は「マイホーム購入」と大きくちがう!

マイホームはご自身やご家族が居住する目的で購入しますので、ご自身の好み(趣味趣向)によって物件の選定を行うわけですが、投資用不動産を購入するときは考え方が大きく異なります。投資用不動産を購入するときの判断指標は、「利回り〇%以上」と収益性に着目した考え方が基本となりますが、利回りにも色々な計算方法があります。投資用不動産の広告で目にすることが一番多い表面利回りは、おおまかな収益力の指標にはなりますが、賃貸経営にかかる様々な経費や空室リスクなどが考慮されていません。鵜呑みにして購入すると思ったような結果が得られない場合がありますので、事前にしっかりシミュレーションすることが大切です。

賃貸経営にかかる経費にはどの様なものがあるでしょうか。一番大きいのが修繕に関する費用だと思います。退去者が出れば次の入居者を募集するためのリフォームが必要になりますし、給湯器やエアコンなどの設備が故障すれば交換しなければなりません。通常の修繕に加え、定期的な大規模修繕も必要です。修繕費以外にも、清掃などの維持管理費、固定資産税などの税金、借入金の利息、保険料などもかかってきます。自主管理ではなく管理会社に委託するのであれば、管理手数料も必要になってきます。

家賃収入に関してもずっと満室が続くとは考えられませんので、空室発生の際の減収を見込む必要があります。また、一般的には築年数が経つにつれて家賃が下がっていくので、長期的に見た場合の満室時家賃の下落も考慮しなければなりません。同じ入居者が長期に住んでいたとしても、更新時に家賃の値下げ交渉が来るケースも増えているので油断はできません。家賃は市場とのバランスで決まりますので、周辺のライバル物件に大きく影響を受けます。家賃が高過ぎると空室が続いてしまいますし、とは言え安過ぎると後から値上げするのは難しいためせっかくの収入を得るチャンスを失ってしまいます。「満室経営を継続できる一番高い家賃」を狙っていく必要があるのです。

2.購入して終わりではない。これだけある。賃借人や建物の管理。

賃貸経営の源泉は賃借人が支払う家賃です。なるべく多くの家賃収入を安定して得るためには、賃借人に対する細かい対応が必要になります。現在の借地借家法では賃借人が手厚く守られており、一度契約したらオーナー都合で退去させることは困難なため、しっかりした入居審査をする必要があります。入居中や退去時に揉めないためにも、賃貸借契約書の内容も重要です。賃貸中に何かの事情で家賃の滞納が起こってしまった場合は、早めに対応しないと未回収リスクが高まります。そのまま長期滞納となり話し合いで退去させられなければ、明渡し訴訟をするしかなくなります。賃借人同士のご近所トラブルも増える傾向にあり、悪質な賃借人のせいで良質な賃借人が退去してしまうこともあります。単身の賃借人であれば、孤独死などの問題も考えておかなければなりません。

建物自体の維持管理もその後の賃貸経営に大きく影響します。日常的な清掃の項目や頻度で先々の建物の価値が変わり、将来的に取れる家賃や売却時の価格も大きく変わってきます。コンプライアンスの遵守について盛んに叫ばれるようになった昨今では、エレベーター点検や消防設備点検などの法定点検をきちんと行っていないと、万一の時に所有者責任を問われ経済的にも社会的にも思わぬ打撃を受けることになりかねません。10年~15年間隔で定期的に行うべき外壁の塗り替えや屋上の防水工事などの大規模修繕を先延ばしすると、意匠を損ない家賃や入居率が下がるだけでなく、雨漏りなどの修繕に多額の費用が掛かる場合もあります。

不動産投資のリスクのイメージ図

3.管理会社へ依頼が一般的。ただし「何も知らない」「何もしない」オーナーではいけない

不動産投資は所得税や相続対策、不労所得、安定収入などと言う文句とセットで語られがちですが、購入して終わりという簡単なものではありません。賃貸経営が上手く行くためには収入を増やし支出を減らす必要がありますが、そのためにはこのように多くの要素について考え、適切な判断をして行かなければならないのです。同じような投資用不動産を購入しても、将来的に収益性に大きく差が付いてしまうのはそういう理由です。ご自身の時間をどの程度費やせるかにもよりますが、関連法規の改正や賃借人のニーズの変化への対応など学ぶべきことも多く、日々の業務も時代とともに複雑になっているため、全て自主管理で対応していくのはかなり難しくなっていると言えるでしょう。そこを補完するのが管理会社の役目です。

しかしながら、皆さんはどのような基準で管理会社を選ばれましたか?もしくは選ぼうとしていますか?投資用不動産が表面利回りで判断されがちなのと同様に、管理会社も管理料率のみで比較されてしまうケースが少なくありません。重要なのは、「その金額で何を委託するのか」だと思います。管理委託の項目は多岐にわたり、賃貸管理業務、賃借人の斡旋業務、建物維持管理業務などそれぞれが細かい業務から構成されています。管理会社ごと、そして管理委託契約ごとにその内容も違うのですが、管理会社に何の業務を委託しているのかをはっきり答えられない方も多いのではないでしょうか。管理会社を変更したいという相談をお受けすることも多いのですが、管理の委託項目をよく理解しないまま管理委託契約を締結してしまい、トラブルになっているケースも散見されます。管理会社にずっと任せっぱなしで、気づいた時には事業収支が悪化していたという方もいらっしゃいます。つまり、管理会社がきちんと仕事をしているかをよくモニタリングすることは非常に大切です。

今後の連載では、自主管理にせよ、管理会社へ委託するのにせよ賃貸経営の中身を左右する先に述べたような項目について、管理会社がどのように対応しているかについて解説していきたいと思います。

著者

伊部尚子

公認不動産コンサルティングマスター、CFP®
独立系の賃貸管理会社ハウスメイトパートナーズに勤務。仲介・管理の現場で働くこと20年超のキャリアで、賃貸住宅に住まう皆さんのお悩みを解決し、快適な暮らしをお手伝い。金融機関・業界団体・大家さんの会等での講演多数。大家さん・入居者さん・不動産会社の3方良しを目指して今日も現場で働いています。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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