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戸建て売却、3つの売却方法の一般的なメリット・デメリット

戸建て売却に関するトピックス

公開日:2019年8月30日

この記事の概要

  • 戸建て住宅は、同じような物件が少なく、建物の価値が正確に把握しにくいなどの理由で、分譲マンションと比べて売却価格の判断が難しくなり、売却価格は、売り方にも左右されます。実際の価値に見合った売却をするために考慮すべきポイントを紹介します。
戸建て売却、3つの売却方法の一般的なメリット・デメリット

戸建て住宅の売却方法は一般的に、「中古住宅+土地」、「古家付き土地」、「更地の土地」の3つがあります。売主にとっては「中古住宅+土地」や「古家付き土地」で売却したほうが建物を解体する責任はありません。一方、買主が新築する場合、更地の方が、取り壊しの時間・費用等がかからない分、スムーズに建築にかかれるというメリットがあります。

こうした「中古住宅+土地」、「古家付き土地」、「更地の土地」の違いを解説します。まずは、それぞれのメリットやデメリットを簡単にまとめてみました(下表)。

戸建て住宅の売却方法による一般的なメリット・デメリット

「中古住宅+土地」
として売却する
「古家付き土地」
として売却する
「土地(更地)」
として売却する
メリット 建物に一定の利用価値があるため、他の方法より高めの売却が期待できる

建物が長期使用なされていくため、社会的にも意義がある
原則、現状のまま売却に出すため、最小限の手間で済む

建物に対する瑕疵担保責任免責が一般的。
土地だけで査定されるため、売却金額のメドがつけやすい

建物がない分、買主が利用しやすく、早期に売却できる可能性がある
デメリット 建物に一定の瑕疵担保責任を負う(特約等で責任を外すことも可能) 建物の解体を前提にした売却方法のため、解体・撤去費用分、更地で売却するより売却額が低くなる 売却前に解体・撤去費用などの持ち出しが発生する
その他注意点 早期売却のためには、クリーニングやメンテナンス、リフォーム、ホームステージング等を実施することが大切

居住したまま売却する場合は、内見などの際に日程調整や片付け等の準備が必要
契約内容によっては建物に関する何らかの責任が発生する可能性がある。 建物を取り壊すと固定資産税や都市計画税が7倍近く上がることがあるため、解体のタイミングを検討する必要がある

「中古住宅+土地」での売却はリフォームが前提に

「中古住宅+土地」での売却は、建物に一定の利用価値があると見込んでの方法です。買主(あるいは売主)が建物の劣化した部位を修繕し、リフォーム等を行って新たに使い始めることが一般的です。他の方法より売却価格が高くなることが期待できます。

ただ買主の多くは、古い戸建住宅に対して「不安」「汚い」「分からない」などのイメージを抱いています。前所有者の生活感もできれば目にしたくありません。不具合の多くをリフォームで解消できることを熟知している方が少ないのも事実です。建物を現状有姿でも売却に出すことは可能ですが、これらのネガティブ要因を解消しないとなかなか買主が現れず、売却に時間がかかってしまったり、値引きを求められたりするなど、スムーズに売却できない可能性があります。そのためクリーニングや最低限の修繕・リフォームを行って売却に出すケースも多いようです。

注意点としては、原則として建物には「瑕疵担保責任」が発生します。瑕疵担保責任とは、売買後に隠れた瑕疵や不具合等が見つかった場合、売主が買主に対して補修または損害賠償などを負うなどの責任です。瑕疵担保責任の期間を「引渡しから1〜3カ月」としたり、売主の瑕疵担保責任を免除したりするなどの特約事項を付けるケースもあります。

「古家付き土地」での売却

建物の築年数が相当古いケース等は、「古家付き土地」として売却することも考えられます。建物をそのまま残して売却するのは「中古住宅+土地」と同様ですが、土地のみの評価となり、買主が建物を取り壊して更地にするので、解体費用を考慮した売出価格とすることが一般的です。

原則として現状のまま売却に出すため、売主は、建物を補修・リフォームする必要がないというメリットがあります。また、建物に対する瑕疵担保責任を免責とすることが一般的であることもこの売却手法のメリットです。

「中古住宅+土地」と「古家付き土地」で販売するケースに共通するポイントとして、古家に関しては、建築や都市計画などの法律について、建物建築時点の規制が適用されていますが、更地にしてしまうと、最新の法律が適用されるというのも覚えておきましょう。

例えば、既存建物を取り壊してしまうと、法律の変更によってそれよりも面積が小さい建物しか建設できなくなるケースもあります。つまり、古家を安易に取り壊すと、資産価値の毀損を招くことがあるので要注意です。

「更地の土地」での売却は取り壊し費用が必要に

従来は、古い住宅を取り壊し、更地にして売却する方法が一般的でした。買主側は、スピーディに、好みの建物が計画できるので、購入検討者が多くなる可能性があります。ただし更地にするわけですから、売却前に自己負担で建物を解体する必要があります。

とはいえ土地のみの販売ですから、古家に関する瑕疵担保責任がなく、最小のリスクで売却できるのは大きなメリット。

「古家付き土地」と「更地の土地」のどちらで販売したほうがいいのかは、先に述べたような資産価値毀損がないか、建物の解体コストがいくらかかるかなどを勘案することになります。不動産会社と相談しながら方針を決めていくのが失敗を防ぐことにつながります。

信頼おける不動産会社選びが重要なカギ

近年、戸建ての中古住宅が見直されつつあります。コンディションのよい物件を購入し、リフォームやリノベーションで自分たちの暮らしやすい間取りやライフスタイルを付け加えて新しい暮らしを始める層が増えました。事業者がいったん中古物件を購入し、リノベーションしたうえで保証を付けて販売する「買取再販事業」はこれまで分譲マンションが中心でしたが、戸建て住宅でも同じ手法での販売が一般化しつつあります。

中古の戸建て住宅は現状性能やコンディションの確認がしづらいこともあって、これまで「築年」を基本的な目安として建物価値を評価してきました。税法の法定耐用年数の影響もあり、不動産業界では木造一戸建ての価値は、建築から20〜25年程度でなくなるととみなされてきたのです。しかし、近年は査定方法が、多少、見直されつつあります。建物のコンディション(建物構造部の劣化度合い、リフォーム・メンテナンス実績)、基本性能(耐久性、耐震性、断熱性など)などによっては、それなりの価格で売却できる可能性が増しています。だからこそ、上記の3方法のうち、どれを選択するのがベストかを適切に判断するかことが大切なのです。

物件によって、ベストな方法は異なります。それを適切にアドバイスできる不動産会社を選び、納得いくまで相談して、少しでも高い価格での売却を実現してください。

執筆

谷内 信彦(たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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