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マイホーム購入後のコストを把握して、素敵な暮らしを実現しよう

住宅を買うとわかるお金の話 Vol.1

公開日:2016年6月30日

マイホームの購入は人生の大きなイベントです。それだけに多くの物件情報を集め、念入りに資金計画を立て、自分の手の届く、少しでもいい物件を獲得しようと頭を絞り、汗をかいていると思います。

しかし念入りに考えているようで、案外忘れがちなのがマイホーム購入後のさまざまな出費です。賃貸暮らしのときは、家賃さえ払っていれば、税金はもちろん建物修繕なども大家さんの役割でしたが、マイホームとなればこうした費用はすべてオーナーである購入者の負担です。

維持管理などの「購入後のコスト」を的確に把握しておかないと、生活設計自体に大きな影響が出てしまいます。せっかくのマイホームなのに、ぎりぎりの節約生活でまったく楽しめないのでは意味がありません。購入前にアウトラインだけでもつかんでおきましょう。

マイホーム購入後にかかる主なコストとしては、以下のような項目が考えられます。

マイホーム購入後にかかる主なコスト

コスト例 概要 備考
住宅ローンの返済分 毎月のローン返済のほか、設定によってはボーナス併用払いなどもあり 変動金利の場合など、支払い額に変動が起きることも想定しておく
固定資産税・都市計画税 年に一度納税する 一括または年4回の分納
管理費・修繕積立金 分譲マンションで原則毎月支払うコスト 戸建て住宅でも将来に備えて費用の積み立てを
模様替え・リフォーム 建物や設備の老朽化の機能回復や性能向上のほか、ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて実施 実施項目に応じて数万円〜数千万円と費用に差がある

住宅ローンの返済は毎月の支払い額の変動に注意

マイホーム獲得後、一番、多額の支払い項目が住宅ローンの返済ではないでしょうか。一般に、10年から最長35年と長めの期間となる支払い項目だけに、無理のない返済計画であることが大切です。「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、数年後に支払い額が変動して慌てるケースもあります。念には念を入れて住宅ローンの返済リスクを確認しておきたいものです。

住宅金融支援機構の「フラット35」などのように、全期間が固定金利であれば最終返済日までいくら支払うかを事前に確認できますが、固定期間が限られている住宅ローンは固定期間終了後に金利が変動し、支払い額も変動するので注意が必要です。

出産や受験、入学といった育児費用だけでなく、最近は親の介護関連費用の負担が急に生じるケースもあります。住宅ローン以外のこうした出費を予想して、それでも返済が可能かを考えることがポイントです。資産状況や将来の収入見込み、家族の将来計画を見据えて検討してみましょう。

毎年支払う固定資産税と都市計画税

賃貸からマイホームに変わると、支払うべき税金が増加します。固定資産税と都市計画税です。これらは所有する土地や建物にかかる税金で、固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出されます。
納税通知書は年に1回4月以降に不動産の所有者に発送されます。一括納付と4回の分納を選択できます。

固定資産税評価額は地方自治体が3年ごとに改訂するため、固定資産税や都市計画税の税額が変わる可能性があります。ただし、地価アップや大幅なインフレなどがなければそう大きくは変動しません。また、建物部分については減価償却費相当額が差し引かれて評価額が年々低くなっていくので、税額は少なくなっていきます。

新築住宅など、固定資産税や都市計画税は購入後数年間の軽減措置が受けられるケースもあります。支払う税額が少なくなるのはうれしいことですが、軽減措置終了後に元の税額に戻った際に大幅アップと感じることもありますから、気をつけましょう。

管理費や修繕積立金も毎月支払うコスト

マイホームとして分譲マンションを購入した場合、管理費や修繕積立金を管理組合に納めることが欠かせません。これらは建物共用部を維持していくためのコストで、管理費は日々のメンテナンスに、修繕積立金は将来のさまざまな修繕に備えるための費用となるのが原則です。修繕積立金は将来の備えであるため、純粋な出費ではなく資産ともいえる性質のものですが、自分で自由に使えません。売却の際には、修繕積立金の未納があれば売却価格に影響が及びます。

こうしたコストは低ければいいというものではありません。管理費があまりにも低いとサービスが行き届かず、マンション全体の評価が落ちて、万一の際の売却価格が安くなってしまいます。修繕積立金が低めな物件は、将来の大規模修繕の際に工事費用が足りず、一時金として少なくない額を追加徴収されたりするケースがあります。マンションの資産性を保つ必要コストとして、ある程度の金額は納得すべきです。

管理費や修繕積立金は、あくまで共用部を対象としたものです。自宅専有部内の設備等の故障は自己負担になりますから、それらの費用を考慮しておくことも必要です。エアコン、給湯器、コンロといった住宅機器の寿命は10年が目安と言われています。それ以上経過した場合、いつ故障しても慌てず交換できるような資金的な備えが暮らしを守ります。

戸建て住宅をマイホームとした場合は管理費や修繕積立金を負担する必要はありません。しかし、将来の建物の修繕費用や住宅機器の交換費用などさまざまな出費が発生することは同様です。分譲マンションでは管理組合主導で済む屋根や外壁のメンテナンスも、戸建て住宅では自分で計画し、実施しなくてはなりません。戸建て住宅をマイホームとした場合にこそ、こうしたメンテナンス関連の出費への備えを意識しておきたいものです。

リフォームは将来必ず必要になる

暮らしの質を維持し、向上させるためには、建物・設備に関して定期的な維持管理や修繕は欠かせません。劣化を最少に留め、当初の性能を維持し、さらに最新のレベルに追い付くためには、メンテナンスやリフォームが不可欠です。

メンテナンスとリフォームは一連の関係にあり、厳密な境界線はありません。軽微な修繕はメンテナンスに含まれますが、設備更新などはメンテナンス・リフォームどちらの範囲ともいえます。ただし大まかには、建物や設備機器の性能の維持や機能回復はメンテナンス、それ以上の機能・性能向上をリフォームと考えていいでしょう。大きめな工事になるリフォームですが、動機としては主に「老朽化」「イメージチェンジ・リフレッシュ」「ライフステージの変化」などが考えられます。

リフォームする動機例

リフォームの動機 必要な理由 備考
老朽化 建物や設備機器の性能の維持や寿命の向上のため 分譲マンションの共用部については管理組合が管理
室内イメージチェンジ・リフレッシュ ライフスタイルの変化や室内イメージのリフレッシュなどに応じ、適宜実施 常に暮らしやすい家であるために、性能が劣化していなくても実施する場合がある
ライフステージの変化 加齢や家族構成の変化によって、必要な間取りや設備が変わってくるため
その他 加齢や家族構成の変化によって、必要な間取りや設備が変わってくるため

「老朽化」対策としてリフォームは、建物そのものや設備機器が古くなり、劣化した性能を回復させるためにです。これらは普段メンテナンスや修繕で対応しますが、設備機器など性能の回復が難しくなってきた場合は交換が必要になります。また、購入当時には装備されていなかった機能が、時間を経て当たり前の設備や性能になっている場合もあります。単なる機能回復でなく、その後の生活をより暮らしやすくするための性能向上リフォームを目指したいものです。

例えば、来客を知らせるインターホンは、昔、音声を伝えるだけのものでした。しかし、現在はカラー液晶画面が付き、動画と音声で訪問者をチェックできるよう機器が一般的です。しかもワイヤレスで液晶画面付きの子機をつなげるタイプなら、家中どこにいても対応できます。さらに録画機能が付いていることが多いので、留守中などにインターホンを操作した訪問者も確認できるなど、防犯の強化にもなります。こうした設備機器の機能アップは生活の質向上に貢献するでしょう。

「室内のイメージチェンジ・リフレッシュ」は、家族の暮らし方に応じた空間にするためのリフォームといえます。購入時には気に入っていた空間も、時の経過とともに室内イメージを変えたくなる可能性があります。夏と冬とでカーテンを交換するように、時に室内のリセットすることも暮らしを充実させます。

「ライフステージの変化」というのは、家族構成の変化などに対応するリフォームです。その変化に応じて必要な間取りが変わってくるため、それらに対応した間取りや設備とします。結婚を機にマイホームを持たれた方も、お子さんが誕生すればやがて子ども部屋が必要になるでしょうし、高齢になればバリアフリーの設備も必要になってきます。

このようにリフォームする動機は多彩であり、必要になる時が必ずやってきます。リフォーム費用はかなり多額になります。積立をするなど日ごろからの備えが肝心です。近年はリフォームローンも充実してきましたが、一般に住宅ローンより金利が高めなので、自己資金を多く貯めていきたいものです。

以上、マイホーム獲得後の大きめな出費例を挙げてみました。マイホームを持つことは同時に、納税や修繕の義務を負うということでもあります。それらへの出費を見込んだ資金計画こそ、新居での楽しい生活実現の鍵になるでしょう。

執筆

谷内 信彦 (たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。「中古住宅を宝の山に変える」「実家の片付け 活かし方」(共に日経BP社・共著)

本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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