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後悔しないためには「管理」のチェックが重要

マンションを購入する際に、絶対に知っておくべきこと(第1回)

公開日:2018年3月29日

この記事の概要

  •  「共同住宅」「集合住宅」と言われるように、マンションは戸建て住宅と違って1つの建物を複数の世帯で管理し、居住する建築物です。複数の世帯が安心して気持ちよく暮らすために様々な決まり事があり、それに従って管理されています。ハードとしての建物だけではなく、ソフトである管理についてもしっかりチェックすることが後悔しないマンション選びには大切です。

後悔しないための「管理」の構図

戸建てと分譲マンションでは、建物の所有形態が異なっています。戸建ては基本的にすべてオーナーの所有です。一方、マンションは「専用部分」と「共用部分」に分かれています。マンション各戸の住戸部分が「専有部分」で、オーナー(「区分所有者」と呼びます)が所有権を持っています。専有部分以外は「共用部分」と呼ばれ、区分所有者全員の共同所有です。建物の柱・梁・壁などの構造部をはじめ、エントランスやエレベーター、廊下、外壁、パイプスペース(PS)などが共用部分になります。

所有者の意思だけでリフォームできる範囲は限られている

なぜ、専有部分と共用部分の境界を詳しく説明したかというと、それぞれオーナーに対する制約に違いがあるからです。原則、専有部分は基本的には区分所有者が独自の判断で手を加えられます。ただし、マンションの管理規約や使用細則などによる制約を受けます。一方、共用部分は区分所有者で組織した管理組合の総会の決議なしには変更できないという強い制約があります。

注意が必要なのが、各区分所有者だけが利用しているので専有部分と考えがちなのに、実は共用部分である場合があることです。例えばバルコニーや1階の専用庭は、各区分所有者に専用使用権を認めた共用部分です。窓や玄関扉、ベランダの手すりや防火壁も共用部分として扱われます。これらは原則として専用使用権者の意思だけでリフォームを行うことはできません。

また、前述の通り専有部分でも、マンションの管理規約や使用細則などによる制約は受けます。例えば、管理規約などで床材に「フローリング材の使用禁止」を規定しているケースもあります。これは、築年が古いなどの理由で遮音性に十分な配慮がなされていない建物の場合に、リフォーム後の生活音によるトラブルを未然に防ぐために設けられることが多いようです。同様に、階下への水漏れトラブルを懸念し、水まわりの設備の移動禁止を定める例もあるようです。こうした制約がある中古マンションを購入しても、思い通りのリフォームができない可能性が出てきます。

「マンションは管理を買え」の意味すること

マンションの購入を検討する際、「マンションは管理を買え」というフレーズを耳にしたことはありませんか。リフォームを例に説明した通り、マンションでは、共用部分はもちろん専有部分に関しても管理規約などの制約を所有者は受けることになります。したがって、管理規約などの内容やその運用によって、生活の質が大きく違ってくるのです。建物というハードだけではなく、管理規約などのソフト、あるいはそれを反映したサービスが、日々の生活に強い影響を及ぼし、さらには資産価値にも関係してくることから、こうした言葉が一般化しているのでしょう。

もちろん、管理規約などには、時代の変化や技術の進歩などによって不具合が生じることもあります。その場合、管理組合の総会の決議を経れば改定することができます。例えば現在、話題となることが多い民泊を認めるかについて。最近浮上した問題なので管理規約に定めがないケースが多いのですが、住環境を守るために「民泊/ゲストハウスとしての利用禁止」を管理規約に追加した管理組合もあります。

マンション管理業務は、定期的な清掃やゴミ出し、セキュリティの維持、建物・設備の点検や修繕、長期修繕計画に基づいた大規模修繕の実施、各専有部分の利用法のチェックなど非常に幅広い内容を含んでいます。一般的にそれを実際に行っているのは管理組合が業務委託したマンション管理会社です。マンション管理会社は分譲時にデベロッパーが指定した会社と契約を続けているケースも多いでしょう。ただ問題があれば管理組合が委託先を変更することもできるのです。

こうした点からすると、マンションの管理は最終的には管理組合次第ということになるので、管理組合に関する理解や協力が欠かせないことも分かります。

「管理を買え」とは「良い管理をしているマンションを選びましょう」の意味です。良い管理かどうかを判断するには、業務委託した管理会社の業務レベルや料金の妥当性といった表面的な内容だけでなく、その上位に位置する管理組合の活動状況、管理規約などの内容の妥当性や更新状況もチェックする必要があります。次回以降は、管理組合、管理規約、管理会社などについて、知っておくべき事柄をそれぞれ説明していきます。

執筆

谷内 信彦 (たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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