ヤング係数(縦弾性係数)やんぐけいすう(じゅうだんせいけいすう)

部材の変形のしにくさを表す指標であり、軸方向に対する剛性、硬さを表現する数値。

物体に外力をかけると、物体は外力に応じて変形するが、外力がなくなれば元に戻る。しかし、外力が一定の範囲を超えると、物体は変形したまま元に戻らなくなったり、破断したりする。この変形しつつ元に戻る範囲を「弾性範囲」というが、この弾性範囲内においては、物体の変形量(ひずみ)と外力に対抗して内部に生じる応力との関係には、比例関係が成り立つ。これを「フックの法則」(17世紀イギリスの物理学者ロバート・フックに由来する)といい、その比例定数を、19世紀イギリスの物理学者トマス・ヤングの名に由来し、「ヤング係数」または「ヤング率」という。

フックのモデルは、ばねばかりに重りをつるし、垂直荷重を外力とし、ばねの伸びを変形量とするものであり、外力に対する軸方向(縦方向)の力について構想したものであったところから、ヤング係数を「縦弾性係数」ともいう。一方、横方向についての弾性を表す「横弾性係数」も存在し、主にせん断方向の剛性を表すところから、せん断係数とも呼ばれる。横弾性係数は、縦弾性係数を基に算出することが可能であるため、通常材質の剛性を比較等する場合には、縦弾性係数のみが用いられる。

ヤング係数が高いほど硬く変形しにくく、低ければ変形しやすい。高いものの代表が鉄やコンクリートであり、低いものの代表がゴムである。

剛性は変形のしにくさであり、破壊等のしにくさではないので、強度とは区別される。

関連用語
剛性率
剛性とは外力に対する変形のしにくさを表しており、建築基準法における「許容応力度計算」では、多層階を有する建築物において、各階ごとに剛性が違えば、剛性が低い(変形しやすい)階の変形が大きくなり、この階に損傷が集中することによって、建築物の破損や倒壊に結び付きやすくなることから、各階ごとの剛性ができるだけ均等であることを求めている。 このため、各階の剛性の平均値に対する当該階の剛性の割合(層間変形角の数値の逆数の、全階にわたる平均値に対する当該階の値の比)を剛性率とし、それができるだけ各階において平均値に近く(剛性率=1に近づけるのが理想)、各階ごとの剛性率のばらつきがないよう、「各階の剛性率がそれぞれ10分の6以上であること」と定めている(同法施行令第82条の6)。