暖房負荷だんぼうふか

ある建築物または特定の建築物の設計仕様における暖房時(冬)に部屋を暖かく保つために必要な加熱量。冷房負荷と併せて「冷暖房負荷」または「暖冷房負荷」との表現もよく用いられる。建築物の省エネルギー性能を表す指標の一つであり、冬季の暖房機器による電力消費を削減するため、必要な加熱量である暖房負荷を軽減することが求められる。外皮の断熱性能が高ければ、それだけ暖房負荷は小さくなる。気密性が低い建築物では、暖房してもなかなか室温が上がらないので、暖房負荷が大きいということになる。

国土交通省の定める建築物の省エネ基準では、「一次エネルギー消費量」の削減が求められているが、その一次エネルギー消費量の算定に当たり、暖(冷)房負荷を単位温度差当たりの外皮熱損失量、単位日射強度当たりの日射熱取得量、自然風、蓄熱、床面積等をもとに計算し、それを係数として用いることとされている(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項(平成28年国土交通省告示第265号))。

関連用語
平均日射熱取得率(暖房期)(ηAH値)
暖房期における太陽日射の室内への入りやすさの指標。 単位日射強度当たりの建物内部で取得する熱量の合計を、暖房期間で平均し、外皮面積で除したもの。熱量の合計は、屋根または天井、壁、窓等の開口部の面積にそれぞれの日射熱取得率や方位係数を乗じたものを合計して算定する。 冷房期におけるものと逆に、値が大きいほど日射が入りやすく、日射熱の取得性能が高いということになり、冬季における暖房効率が良いということになる(「平均日射熱取得率(冷房期)(ηAC値)」参照)。 冷房期におけるものと違い、基準値が定められておらず、単独では建築物省エネ法による基準値への適合が義務付けられていないが、同法の規定による「一次エネルギー消費量基準」への適合判定の指標であるBEI値の算定に関係する。