強制管理きょうせいかんり

債務を強制的に履行させるため、裁判所の決定に基づいて不動産に対する強制執行をする方法のうち、強制競売と異なり、不動産を売却せずに裁判所が選任した管理人に賃料等の不動産から生ずる収益を収取させ、債権者に配当する方法。売却するよりも収益を得る状態を継続した方が債権の回収に有利である場合などに採用される。

2004年4月以前までは。抵当権の実行方法としては、売却せずに収益から債権者が配当を受ける方法がなかったため、本制度に一定の存在意義があった。しかし、03(平成15)年の「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」の成立・公布により、「担保不動産収益執行」の制度が創設され、04(平成16)年4月の同法の施行により、抵当権者の申請に基づき、裁判所による管理人の選任、管理人による収益の収受、債権者への分配等の手続が利用できることとなった。そのため、本制度の利用の減少が見込まれている。

関連用語
強制執行
債務者に給付義務を強制的に履行させる手続きのことを「強制執行」という。 強制執行を行なうには、公的機関が作成した確定判決などの文書(債務名義)が必要であり、またその債務名義に「執行文」が記載されていることが必要である。

強制執行は、金銭執行と非金銭執行に分類される。
金銭執行とは、債務者の財産を差し押さえて(さらには競売により換価して)、金銭を債権者に交付するような強制執行である。代表的な金銭執行としては「強制競売」と「債権差押」がある。
また非金銭執行とは、金銭債権以外の債権(例えば土地引渡請求権)を実現するために行なわれる等の強制執行である。

なお、債務者(または物上保証人)の不動産に抵当権を設定している債権者が、その抵当権にもとづき不動産を競売することは、「任意競売」と呼ばれる。しかし任意競売は、強制執行には含まれない。また、任意競売では「抵当権の存在を証する文書」は要求されるが、「債務名義」は必要ではない。