2号物件にごうぶっけん

かつての建築基準法第20条第1項第2号及び第3号においては、高さ60m以下の建築物のうち、比較的大規模なものを第2号、中規模なものを第3号、小規模なものを第4号に区分。このうち第2号では、

木造建築物で高さが13m、もしくは軒の高さが9mを超えるもの

鉄骨造の建築物で地上4階建て以上のもの

鉄筋コンクリート造鉄骨鉄筋コンクリート造で高さが20m超60m以下であるもの

等の建築物について、限界耐力計算または保有水平耐力計算等の構造計算を必要としていた。しかし、2022(令和4)年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」により建築基準法が抜本的に改正され、60m以下の建築物は、新たに「新2号物件」「新3号物件」等に規定され、規制内容が再編成されている。

関連用語
新2号物件
建築物の建築等に関する申請および確認について定めた、建築基準法第6条第1項および構造耐力について定めた第20条第1項は、2022(令和4)年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」により抜本的に改正された。これにより、高さ60m以下の建築物のうち、平屋かつ延面積200平方メートル以下の建築物以外の建築物(一定規模以上の建築物)は、構造によらず、また、都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区等内であるかこれらの区域外であるかに関わらず、構造規定および省エネ基準の審査が必要になった。具体的には、木造2階建て住宅や木造の200平方メートル超の平屋建て住宅について、新制度では、構造関係規定等の図書や省エネ関連の図書が必要となる。これらの小規模な建築物は、改正前の同項第4号に該当するため、「4号物件」と呼ばれ、確認申請書の図書の一部の提出が省略可能であった(「4号特例」)が、改正法により省略は認められなくなった。 改正法は2025(令和7)年4月より施行されている。
構造耐力
建築物には、自重(建築物そのものの重さ)、積載荷重(人間・家具・設備の重さ)、積雪という垂直方向の力がかかり、また地震力・風圧力という水平方向の力がかかる。
これらの垂直方向・水平方向の力に対して、建築物が垂直方向の力を支え、水平方向の力による変形に対抗することができるということを「構造耐力」と呼んでいる。

また、特に水平方向の力による変形に対抗することができるということを「水平耐力」と呼んでいる。
この水平耐力を備えるように筋かいを入れ、または構造用合板などを張った壁は「耐力壁」と呼ばれている。

建築基準法では、すべての建築物が十分な構造耐力を備えるように、詳しい技術的な基準を設けている(建築基準法第20条第1項、建築基準法施行令第36条から第80条の3まで)。
また、木造3階建てなどの建築物については十分な構造耐力を持つことをチェックするために、設計段階で構造計算を行なうことを義務付けている(建築基準法第20条第1項第2号、建築基準法施行令第81条から第99条まで)。