特別決議とくべつけつぎ

分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合集会で議案を議決する際に、特に重要な議案について特別多数の賛成により可決することを「特別決議」という。

この特別決議を必要とする議案は、区分所有法により次の8種類が規定されている。

1.管理規約の設定・変更・廃止(同法第31条)
2.管理組合法人の成立(同法第47条)
3.共用部分等の変更(同法第17条・第21条)
4.大規模滅失における建物復旧(同法第61条第5項)
5.建物の建替え(同法第62条)
6.専有部分の使用禁止の請求(同法第58条)
7.区分所有権競売の請求(同法第59条)
8.占有者に対する引渡し請求(同法第60条)

上記の8種類のうち、「建物の建替え」を除く7種類については、特別決議を行なうための議決要件は、「区分所有者数の4分の3以上」かつ「議決権の4分の3以上」の賛成である。
ただし「共用部分等の変更」についてはこの議決要件を管理規約により「区分所有者数の過半数」かつ「議決権の4分の3以上」の賛成にまで緩和することができる。

また「建物の建替え」についての決議要件は「区分所有者数の5分の4以上」かつ「議決権の5分の4以上」の賛成である。

関連用語
普通決議
分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、通常の議案について過半数の賛成により可決することを「普通決議」という。 この反対に、特に重要な議案について4分の3以上の賛成などの特別多数の賛成により可決することは「特別決議」と呼ばれる。

区分所有法では、「集会での議案の議決は、原則として区分所有者数の過半数および議決権の過半数の賛成で可決する」という旨を定めている(区分所有法第39条第1項)。
従って、通常の議案については、区分所有者数の過半数と議決権の過半数の賛成があれば可決できることになり、こうした決議方法を「普通決議」と呼んでいる。

ただし実際には、管理組合の集会において、区分所有者の出席が少なく(かつ書面による権利行使や代理人の選任も行なわれず)、上記のような過半数の決議要件を満たすことが困難なケースもある。こうした場合に備えて、管理組合が管理規約において、普通決議の要件を「過半数」よりもあらかじめ緩和しておくことも可能とされている(区分所有法第39条第1項)。