不動産投資ふどうさんとうし

資金を不動産(土地・建物)の購入・賃貸に充てて運用し、収益を得ることをいう。運用益は、不動産価格の上昇益(キャピタルゲイン)または賃貸料収入(インカムゲイン)として得ることになる。

不動産投資は、自らが不動産を購入・賃貸する方法によるほか、不動産投資信託REIT)のように投資の判断・運用を専門家に委ねる方法もある。

専門家が投資を判断・運用する方法による場合には、投資家は、あたかも株式を売買するように、不動産を証券化した金融商品を売買するかたちで投資するのが一般的である。

投資は一般に、高利回りの投資は大きなリスクを伴い(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さい投資は利回りが低い(ローリスク・ローリターン)とされている。

関連用語
不動産投資インデックス
不動産の収益性を一般的に示すための指標をいう。 個別の不動産についての収益性ではなく、不動産市場全体の動向を収益性の視点から把握できる指標でなければならないとされる。

不動産の収益性は、大きく、 1.期間中に得られる純収益(賃料等と管理費用等の差、インカムゲイン) 2.期間中の資産価値の増減(キャピタルゲイン) に分かれるが、不動産投資インデックスは、両者を総合化したもののほか、それぞれを独立させて指標化する場合もある。

また、不動産の特徴から、地域性や不動産の種類に応じた収益性の把握が可能でなければならないほか、他の投資商品と比較可能であること、十分な頻度と継続性が確保されていること、豊富なデータによる信頼性の高い算出方法であることなどが要求される。特に、不動産取引データの多くは非公開であるため、不動産投資インデックスの作成には困難が伴うとされている。現実にもいくつかの試みはあるものの、現在のところ標準的な不動産投資インデックスは存在しない。

なお、地価の動向など不動産市場の一般的な動向を、収益性に限定せずに把握する指標を「不動産インデックス」とよぶことがある。
不動産ファンド
投資家から資金を集めて運用し、その収益を出資額に応じて配分する仕組みのなかで、不動産投資を主とするものをいう。 投資に係るリスクとリターンはすべて投資家に帰属する。「不動産投資信託」と呼ばれることもある。

狭い範囲の投資家を対象に資金を集めるもの(私募ファンド)、不動産特定共同事業として実施するもの、信託制度を活用するものなど、形は多様である。運用の対象については、株式投資などと組み合わせる場合、特定の種類の不動産のみを対象とする場合などさまざまであり、運用に関しても、インカムゲインを重視するかキャピタルゲインを期待するかという違いがある。しかしどのようなものであれ、投資によって生じた損失は、投資家が一身に引き受けることはファンドに共通する性質である。
ファンドマネジャー(Fund Manager)
金融資産を継続的に運用する専門家をいう。 運用対象は、株式、債券、不動産、為替、商品相場等々、ファンドの性格に応じて多様である。投資顧問業として業務に携わることもある。

通常、運用実績を評価するための基準(ベンチマーク)が設定されていて、それを上回る成果を上げなければならない。一般的には、日経平均やTOPIXをベンチマークとすることが多い。