最終更新日:Tue, 03 Feb 2004 00:00:00 +0900

土地の区画形質の変更

とちのくかくけいしつのへんこう

都市計画法における開発許可の対象となる宅地造成等のこと。

1.趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために開発許可の制度を設けているが、その開発許可の対象となるのが、「土地の区画形質の変更」である。
「土地の区画形質の変更」とは、宅地造成だけでなく、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などを含む広い概念である。ただし、建築確認をうけた建築工事に伴って掘削や基礎打ちをすることは含まれない。

2.具体的な内容
「土地の区画形質の変更」の具体的な運用は、各自治体の条例などで定められているが、一般的には「土地の区画形質の変更」には次の3種類の行為が含まれると解釈されている。
1)土地の「区画」の変更
土地の区画を形成する公共施設(道路・水路など)を新設・廃止・移動することにより、土地の「区画」を変更すること。
2)土地の「形」の変更
土地の盛土・切土により、土地の形状を変更すること。
3)土地の「質」の変更
宅地以外の土地(農地・山林など)を、宅地にすること。

単に土地登記簿上で土地を合筆もしくは分筆することは、 「土地の区画形質の変更」には含まれない。また、建築工事と一体と認められる基礎打ちおよび土地の掘削も「土地の区画形質の変更」には含まれない。

「土地の区画形質の変更」の具体的な運用は、各自治体の「開発指導要綱」で定められている場合が多い。また各自治体の条例で定める場合もある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

都市計画法

都市計画に関する制度を定めた法律で、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968(昭和43)年に制定された。

この法律は、1919(大正8)年に制定された旧都市計画法を受け継ぐもので、都市を計画的に整備するための基本的な仕組みを規定している。

主な規定として、都市計画の内容と決定方法、都市計画による規制(都市計画制限)、都市計画による都市整備事業の実施(都市計画事業)などに関する事項が定められている。

開発許可

宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可のこと。都市計画法に基づく制度である。

1.趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。一定規模以上の開発行為を行なうためには、知事(指定都市等では市長)から開発許可を受ける必要がある。

2.開発許可の概要
1)許可の対象は「開発行為」である。
2)開発行為を行なおうとする者は、開発行為に着手する前に知事(指定都市等では市長)の許可を受ける必要がある(都市計画法第29条)。
3)一定の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
4)知事等が開発許可を与えるか否かを審査する基準には、全国どこでも適用される全般的許可基準(技術的基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内の開発行為についての基準(立地基準、都市計画法第34条)とがある。

3.開発行為
開発許可の対象は「開発行為」である。開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」である(詳しくは「特定工作物」「土地の区画形質の変更」を参照)。

4.開発許可を得る必要がない開発行為
次のような開発行為は開発許可を受けないで行なうことができる。
1)次の面積に達しない開発行為
・東京都の特別区・既成市街地・近郊整備地帯等:500平方メートル未満
・市街化区域:1,000平方メートル未満
・区域区分が定められていない都市計画区域: 3,000平方メートル未満
準都市計画区域:3,000平方メートル未満
ただしこれらの面積は、特に必要があると認められる場合には、都道府県・指定都市等の条例で「300平方メートル未満」にまで引き下げることができる。
2)市街化調整区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域における、農林漁業者の住宅を建築するための開発行為および農林漁業用の建築物を建築するための開発行為
3)公益施設のための開発行為
公益施設は、駅舎、医療施設、小中学校、高校、公民館、郵便局、図書館、墓地、火葬場、と畜場、し尿処理施設、ごみ処理施設、卸売市場など政令で指定するものに限る。
4)国・都道府県・一定の市町村が行なう開発行為
5)都市計画事業の施行として行なう開発行為
6)市街地再開発事業の施行、住宅街区整備事業の施行、土地区画整理事業の施行として行なう開発行為
7)非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為・軽易な行為に該当する開発行為

通常の管理行為・軽易な行為は、仮設建築物の建築、土木事業などに一時的に使用するための第一種特定工作物の建設、車庫・物置その他附属建築物の建築、建築物の増築で増築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、建築物の改築で改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売加工修理等の業務を営む店舗・事業場などの新築(延べ面積が50平方メートル以内)であって当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なう開発行為(開発規模が100平方メートル以内に限る)など、政令で指定するものに限る。

5.開発許可の基準
知事(指定都市等では市長)が開発許可を与える場合の基準が定められている。この基準には、全国どこでも適用される全般的な基準(技術基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内においてのみ適用される基準(立地基準、都市計画法第34条)の2種類がある。市街化調整区域では両方の基準を満たさなければならない。(開発許可基準については「開発許可の基準(全般的許可基準)」「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」参照)

6.都市計画区域・準都市計画区域以外の区域における開発行為
都市計画区域および準都市計画区域以外の区域においてその面積が1万平方メートル以上開発行為を行なう場合は、4の2)〜7)に該当しない限り開発許可を受けなければならない。

宅地造成

一般的には、土地を宅地としての機能を備えたものとするために、傾斜をなくすための切り土盛り土等の工事、擁壁の設置工事、排水施設の設置工事、地盤の改良工事などを行なうこと。こうして形成された宅地は「造成地」と呼ばれる。

なお、宅地造成に伴う災害を防止するために1962(昭和37)年から施行されている宅地造成等規制法においては、宅地造成とは「宅地以外の土地を宅地にするために行なう一定の土地の形質の変更」(同法第2条第2号)と定義している。

農地

一般的には「耕作の目的に供されている土地」を「農地」と呼ぶ(農地法第2条第1項)。

実際には、ある土地が「農地」であるかどうかをめぐって争いがあることが少なくない。ちなみ、過去の裁判例では次の1.2.のような基準が設けられている。

1.「農地」であるかどうかは、登記簿上の地目とは関係がない。たとえ地目が「原野」であっても、現状が「耕作目的の土地」であれば「農地」となる。
2.「農地」とは継続的に耕作する目的の土地である。住宅を建てるまでの間、一時的に野菜を栽培しているような家庭菜園などは「農地」ではない。その反面、たとえ休耕地であっても将来にわたって耕作する目的のものは「農地」である。

実務的には、宅地であるのか農地であるのか判断が分かれるような土地について取引を行なう場合には、市町村の農業委員会において確認を受けることが最も安全である。

建築確認

一定の建築物建築(増改築を含む)しようとするときに、工事の着手前に、建築計画が法令で定められた建築基準(建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準)に適合している旨の確認を受けなければならないとする制度、または当該確認行為をいう。

確認を申請する義務があるのは建築主で、確認を行なうのは建築主事等である。

建築主は、建築確認を受けた場合には確認済証の交付を受ける他、工事を完了したときには検査を受けること、一定の場合には工事の中間検査を受けることなどの義務を負う。また、建築基準に違反した建築物については、建築主、建築工事の請負人等に対して、工事施工の停止や違反を是正するための措置を命じることができる。ただし、特別な場合を除いて、従前から存在する基準に違反の建築物(既存不適格建築物)については、増改築をしない限りはそのまま使用できる。

建築確認制度において重要なのは、建築確認を受けなければならない建築物の建築工事に当たっては、その設計は建築士が当たらなければならず、また建築士である工事監理者を置かなければならないとされていることである。この条件を満たさない建築確認申請は受理されない。つまり、建築基準を確保する仕組みは、建築確認制度と建築士制度とが一体となって初めて実効あるものとなるのである。

なお、建築基準は、都市計画区域および準都市計画区域内の建築物に対してはより厳しい基準が適用されるなど、建物の敷地場所、規模、構造、用途等に応じて詳細に定められているため、その内容については注意深く確認する必要がある。

土地登記簿

一筆の土地ごとに作成される登記記録のこと。

合筆

土地登記簿上で数筆の土地を合併して、一筆の土地とすること。

分筆

土地登記簿上で一筆の土地を、数筆の土地へと分割すること。