【シリーズ連載】50代、60代の住み替え(第二話「コストを抑えた機能的な住まい編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.4

第2話 コストを抑えた機能的な住まい編

【Bさんファミリー】
夫54歳会社員、妻53歳専業主婦、長男28歳(既婚:妻27歳、息子3歳)、次男23歳社会人(4月から社会人)。都心から1時間強の住宅地に住んでいる。結婚と同時に購入した一戸建て(4LDK)は築20年超。住宅ローンの若干の残債あり。

第一話「バリアフリー編」では、老後の生活を快適にするためのバリアフリー設備について考えてみました。第二話となる今回は、バリアフリーをかなえつつ、コスト負担が少ない住まいを実現するための考え方について見ていきましょう。

コンパクトで機能的な住まい

退職後の夫婦2人の生活。新築で広々とした住まいにゆったりと暮らすことを理想としている方も多いと思います。都会暮らしが長かった場合、地方でのんびりした毎日を過ごしたいという夢を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、70代後半から80代に差し掛かると、このような住まいや暮らし方が負担となる可能性があります。
退職後は年金生活となり、働いていたころよりも収入減になってしまうという点についても視野にいれておく必要があります。住まいのコストを抑え、コンパクトで機能的な住まいを実現することが重要です。

Point1 時間・手間・お金の無駄なコストをなるべく省く

第一話「バリアフリー編」でも触れたように、年を重ねれば重ねるほど掃除や洗濯、炊事など今まで日常的に行ってきたことでも面倒に感じるようになります。そのため、老後の夫婦2人暮らしや1人暮らしを想定した場合、コンパクトな住まいの方が掃除や管理の面で負担を軽減することができるでしょう。また、コンパクトな住まいであれば、光熱費や固定資産税を節約することができますし、バリアフリー工事を施す場合でも費用を最低限に抑えることができることもポイントとなります。コンパクトで機能的な住まいを選択し、効率的な暮らしをしていくことが重要と言えるでしょう。

Point2 利便性の確保

内閣府が実施した住生活世論調査によれば、「高齢期における理想の居住地」として、『医療・介護・福祉施設へのアクセスの良い場所』『日常的な買い物などを行う生活関連施設などへのアクセスの良い場所』『公共交通機関へのアクセスの良い場所』を重視する人が過半数となり、利便性の良い立地を求めている人が多いことがわかりました。医療施設、生活関連施設、公共交通機関へのアクセスが悪い場所に居住する場合は、自家用車による移動を考える必要も出てきますが、自分で車を運転できなくなった時には通院や買い物に支障をきたしてしまうという点も認識しておく必要があります。

高齢期における理想の居住地

※「平成27年度 住生活に関する世論調査(内閣府)」より引用

コンパクトで機能的な住まいを探すために

老後の住まいで重要なのは、いかにコストをかけずに利便性の高い暮らしを送れるかということ。コンパクトで機能的な住まいへの居住についてまとめてみましたが、いざ住まいを探すとなった時には、今の居住空間で使用しているスペースをチェックし、老後の夫婦2人暮らしや1人暮らしで必要な広さや部屋数を検討した上で、希望のエリア・予算で物件を絞り込んでみると比較的スムーズに住まい探しを進められるでしょう。

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また、不動産や住まいのプロに直接相談してみるというのも一つの手です。経験・知識が豊富なプロなら、希望する住まい探しをより効率よく進める手助けをしてくれるでしょう。疑問点はしっかりと確認し、納得した上で快適な住まいでのシニアライフを実現してください。

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調査概要「平成27年度 住生活に関する世論調査(内閣府)」

調査対象… (1)母集団 全国20歳以上の日本国籍を有する者
                 (2)標本数 3,000人
                 (3)抽出方法 層化2段無作為抽出法
調査時期… 平成27年10月1日~10月11日

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。