BELSべるす

建築物のエネルギー消費の状態を第三者が一定の方法で評価し、当該建築物の省エネルギー性能を表示する制度をいう。Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略語。

BELSの評価に用いる指標および手法は、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」によって、住宅、非住宅に分けて定められているが、基本的には、建築設備(冷暖房・照明等の設備で家電・OA機器等を除く)によって生じるエネルギー量および建物外皮における熱収支を測定し、基準と比較する方法による。また、省エネルギー性能の表示は、一般に、性能水準に応じて星印による5段階のマークで示される。

「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」は、建築物の販売・賃貸事業者に対して省エネ性能を表示する努力義務を課しているが、BELSによって表示すれば、これを満たすことになる。

関連用語
省エネ基準適合住宅の義務化
新築住宅について省エネルギー基準への適合を義務化すること。2025年度から義務化することとされている。 建築物の省エネルギー化については、エネルギー基本計画(2021年10月)において、「住宅及び小規模建築物の省エネルギー基準への適合を2025年度までに義務化する」とされ、また、社会資本整備審議会は、「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方(第三次答申)」(2022年2月)において、「2025年度以降に新築される原則全ての建築物を対象に、現行の省エネ基準への適合を義務付ける」必要があるとしている。 このような方針を受けて、22年6月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)が改正され、3年以内(25年度)に、ほぼ全ての住宅について省エネルギー基準への適合を義務化することとされた。 義務化に際しての適合すべき省エネルギー基準、適合性の判定方法などはまだ定まっていないが、手続きについて建築確認とのリンクが予定されている。また、基準については、風土への適合、居住スタイルの自由の確保など、住宅に求められる特性に配慮する必要がある。 なお、住宅以外の一定規模以上の建築物については、17(平成29)年4月から、エネルギー消費性能基準への適合が義務化されている。
エコハウス
環境への負荷を抑えるための対策を講じた住宅のこと。
対策の目標は、省エネルギーや再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減などであり、具体的には、屋上緑化や雨水の再利用、太陽光・風力エネルギーの利用、ゴミの減量などが実施される。

その基準として、例えば(一財)建築環境・省エネルギー機構が定めた「環境共生住宅認定基準」があるが、この基準では、環境負荷の抑制だけでなく、バリアフリー化や室内の空気質の維持(シックハウス対策)なども要求されている。
スマートハウス
家庭でのエネルギー消費を最適に制御するシステムを備えた住宅をいう。ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)によって家電、空調給湯設備、太陽光発電、蓄電池、電気自動車などを一元的に管理・制御し、エネルギー消費を最適化することができるとされる。

スマートハウスを担うための重要な技術は、住宅内のエネルギー設備や家電等をネットワーク化してエネルギーの使用を管理・最適化するシステム(HEMS home energy management system)や、住宅用蓄電池であるとされている。

環境負荷を抑制する住宅としては、エコハウス(省エネルギー、再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減等を目指した住宅)やLCCM住宅(住宅のライフサイクルにおける二酸化炭素排出量がマイナスとなる住宅)があるが、スマートハウスは家庭生活におけるエネルギー制御に重点を置いた住宅と言える。
ゼロエミッション住宅
環境負荷を極力小さくするように設計された住宅をいう。

厳密な定義はないが、住宅に関して、エネルギー源、エネルギー消費、施工材料・施工法などを工夫することにより、二酸化炭素の排出や廃棄物量を抑制する。

ゼロエミッション住宅においては、次の3つの技術が総合的に活用されている。 1.新エネルギー技術
太陽光発電、風力発電、燃料電池など 2.省エネルギー技術
有機EL照明、ヒートポンプ給湯、計画換気など 3.環境技術
環境配慮建材、軽量鉄骨構造など

気候変動対策のために温室効果ガスの排出量を削減することが求められているが、住宅のゼロエミッション化はそのための有効な政策であるとされ、ゼロエミッション住宅の開発・普及が促進されると考えられる。 なお、ゼロエミッション住宅に類似した住宅としてZEHがあるが、ゼロエミッション住宅は総合的な環境負荷の削減を目標としているのに対して、ZEHはエネルギー消費の削減(省エネルギー)に特化した目標を定めている。