損益通算の特例そんえきつうさんのとくれい

不動産所得に赤字が発生したとき、その赤字のうち土地の取得のために借り入れた借入金の利子に相当する部分は、他の所得の黒字と通算することができない。これを「損益通算の特例」という(租税特別措置法第41条の4)。

例えば、ある年において、不動産収入が500万円、土地の取得のために借り入れた借入金の利子が70万円、その他の必要経費が550万円だったとする。この他に給与収入から給与所得控除を差し引いた後の給与所得が300万円あったとする。
このとき、不動産所得は「500万円-70万円-550万円=120万円の赤字」である。このうち70万円は給与所得と相殺することができない。
よって不動産所得の赤字のうち50万円だけを給与所得の黒字から差し引くことができるので、この年の所得は「300万円-50万円=250万円」となる。

関連用語
損益通算
不動産所得において赤字が発生した場合は、給与所得の黒字や事業所得の黒字から、不動産所得の赤字を控除することができる(所得税法69条)。
このようにある種類の所得の赤字を、他の種類の所得の黒字から差し引くことを「損益通算」と呼んでいる。