ビークル(Vehicle)びーくる

資産の証券化などに際して、資産と投資家とを結ぶ機能を担う組織体をいう。

資産から生じる利益を投資家に運ぶことから、乗り物や媒体を意味するVehicleと呼ばれる。あるいは、実物資産ではなく資産の価値を保有することに着目して、「器(うつわ)」と呼ばれることもある。

ビークルの形は、特定目的会社等の会社組織、特定目的信託等の信託、匿名組合等の組合組織など、多様である。その主要な機能は、リスクを資産の範囲に限定すること(倒産隔離機能)、および、生じる利益に対する二重課税を回避すること(パススルー機能、導管体機能などと呼ばれる)である。

法的な形式を備えることが重要で、通常、資産管理、証券発行などの実務は、そのほぼすべてが外部に委託される。

関連用語
SPE
Special Purpose Entityの略で、資産(不動産)を証券化するための事業体を総称していう。 「特別目的事業体」と訳される。資産(不動産)を保有、運用し、収益を得て、それを投資家に配分する役割を果たす。投資収益を投資家に運搬するというイメージから「ビークル(SPV(Special Purpose Vehicle)」といわれることもある。

特定目的会社(SPC)、投資法人のような特別の法律にもとづく事業体のほか、株式会社、合同会社、任意組合、匿名組合など、その形態はさまざまである。信託もその一つと考えてよい。

SPEがその役割を果たすためには、 1.得た利益をそのまま投資家に配分できること(導管体としての機能)
2.関係者の倒産等の影響が保有・運用する資産(不動産)に及ばないこと(倒産隔離の機能)
3.資産(不動産)の保有・運用におけるリスクとリターンが透明であること の3つの要件を満たす必要があるとされる。