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2019年の一棟賃貸マンションの売買動向

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 3月号

公開日:2020年3月13日

この記事の概要

  • 2019年に公表された一棟賃貸マンションの売買取引額は4,459億円で、前年比28.6%増加
  • 近年は一括売買の多寡が売買取引額の変動に大きく影響。2019年は外資系法人による取引を中心に大型の一括売買が相当数あったことが、売買取引額が増加した主な要因
  • 外資系法人が取引主体の一括売買の増加が寄与して、業種セクター別では取得額・売却額ともに外資系法人が最多。1,000億円超の事例もみられた。

1)2019年の売買取引額は4,459億円で、前年比28.6%増加

都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」によると、2019年に公表された一棟賃貸マンションの売買取引額は4,459億円(「約」の表記は省略。以下同じ。)で、2018年の3,466億円から28.6%増加した[図表1]。

[図表1]一棟賃貸マンションの売買取引額

[図表1]一棟賃貸マンションの売買取引額

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

※:不動産売買実態調査は、「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づき東京証券取引所に開示される固定資産の譲渡または取得などに関する情報や、新聞などに公表された情報から、上場企業等が譲渡・取得した土地・建物の売主や買主、所在地、面積、売却額、譲渡損益、売却理由などについてデータ(概の事例も含む)を集計・分析したもの。情報開示後の追加・変更等に基づいて既存データの更新を適宜行っており、過日または後日の公表値と相違する場合がある。また、本稿の集計では、海外所在の物件は除いている。金額は報道機関等による推計額を含む。数値化のため、「約」などの概数表記を省いたものや範囲表記の中間値を採用したものなど、報道された値を修正したものを含む。

2)近年は一括売買の多寡が売買取引額の変動に大きく影響

複数の物件を一括して売買する取引(以下、一括売買という。)が目立つようになってきている。一括売買と単一物件の売買取引(以下、単一売買という。)に分けて売買取引額を集計すると、2019年は一括売買が2,119億円、単一売買が2,340億円。一括売買が取引全体に占める割合は47.5%で、2007年以降で2番目に高い水準であった[図表2]。一棟賃貸マンションの売買全体ならびに一括売買および単一売買それぞれの取引額の前年比を算出すると、単一売買の前年比の変動が小さいのに対して、一括売買は大きい[図表3]。また、一括売買が目立ち始めた2014年以降、一棟賃貸マンションの売買取引額の前年比の変動は一括売買と概ね連動している[図表3]。すなわち、近年の一棟賃貸マンションの売買取引において、一括売買の多寡が売買取引額の変動に大きく影響していることが分かる。

[図表2]一括売買および単一売買の取引額ならびに一括売買が取引額全体に占める割合

[図表2]一括売買および単一売買の取引額ならびに一括売買が取引額全体に占める割合

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表3]売買取引額の前年比(一棟賃貸マンション売買全体、一括売買および単一売買)

[図表3]売買取引額の前年比(一棟賃貸マンション売買全体、一括売買および単一売買)

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

3)売却額・取得額ともに「外資系法人」が最多

買主の業種セクター別に一棟賃貸マンションの取得額を集計すると、2019年は、「外資系法人」が前年比76.3%増加し、「J-REIT」を抜いて取引額が最多のセクターとなった[図表4(左)]。また、「SPC・私募REIT等」は前年比84.8%増加して1,050億円となり、2007年以降の最高額を記録した。

売主の業種セクター別に集計すると、「外資系法人」が前年と比べて大きく増加し、買主セクターと同様に取引額が最多のセクターとなった[図表4(右)]。また、「J-REIT」は、インヴィンシブル投資法人において100億円超の単一売買が複数あったほか、合併を控えた日本賃貸住宅投資法人と日本ヘルスケア投資法人において老人ホームの取得に併せて賃貸マンション27物件を売却する資産の入替えが公表されたことが寄与して、前年比178.7%増加して953億円となり、2007年以降の最高額を記録した。

[図表4]買主・売主の業種セクター別の一棟賃貸マンション売買取引額(左:買主、右:売主)

[図表4]買主・売主の業種セクター別の一棟賃貸マンション売買取引額(左:買主、右:売主)

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

4)外資系法人による取引額の大半は一括売買。2019年は1,000億円超の取引も

前述のとおり、近年の一棟賃貸マンションの売買取引額は一括売買の多寡に大きく影響される。一括売買の事例を対象として業種セクター別に取引額を集計すると、買主・売主ともに外資系法人が多数であり、外資系法人の多寡が一括売買の取引額に大きく影響している[図表5]。また、外資系法人による取引額の大半は一括売買である[図表6]。2019年の一括売買事例の大半で外資系法人が取引主体となっており、1,000億円超の取引もみられた[図表7]。

[図表5]一括売買における買主・売主の業種セクター別取引額

[図表5]一括売買における買主・売主の業種セクター別取引額

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表6]外資系法人による一括売買および単一売買の取引額

[図表6]外資系法人による一括売買および単一売買の取引額

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表7]2019年に公表された一棟賃貸マンション一括売買の主な事例

[図表7]2019年に公表された一棟賃貸マンション一括売買の主な事例

出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成: 株式会社都市未来総合研究所 研究部

※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。

※2020年3月13日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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