【家中、どこでもネット】生活を便利に、安心にするホームネットワーク活用術

家中、どこでもネットを楽しめるようにしよう!(第3回)

この記事の概要

  •  前回説明した、無線LANの活用によって、家中でネットが楽しめる環境「ホームネットワーク」が手軽に実現します。ただし、それをWEBサイトの閲覧だけに使っていては、十分に活用できていません。最近は、ネットに接続することで生活を便利にする機器がたくさん生まれています。今回は、ホームネットワークの多彩な活用法を紹介します。

生活を便利に、安心にするホームネットワーク活用術

家電、照明などのリモコンをネットを通じてコントロール

まず、試したいのが、ネットを通じて、家電やエアコン、照明といった住宅機器をコントロールする「ホームオートメーションの実現」です。

手軽なのは、個別の赤外線リモコンをまとめて操作できる据え置き型の「スマートリモコン」を活用する方法です。スマートリモコンをホームネットワークに接続して、スマホやタブレットなどのモバイル機器でリモート操作できるようにします。これにより、外出先から、エアコン、テレビ、照明など、家電の電源ON/OFFをコントロールできるようになります。

夏の暑い時、帰宅途中にスマホを操作してエアコンの冷房をONにしておけば、帰宅してからすぐ涼しい部屋に入ることができ、快適です。照明も不在時の夜に、スイッチをONにすれば、在宅を装うことができ防犯対策にも有効です。

スマートリモコンは、テレビ、エアコン、照明、掃除ロボットなど赤外線リモコンを使う多くの家電に対応していますから、使い方を工夫しましょう。ただし、家庭内にはリモコンのついていない家電もたくさんあります。そうした場合でも、ホームネットワーク経由でコントロールできるようにする製品が出てきています。室内のコンセントに差す電源タップ(プラグ)に無線LANを内蔵。そこに家電製品の電源コードを差すだけです。これで外出先からスマホでON/OFFできるようになります。

インターネットとつながる冷蔵庫で買い物効率アップ

最近は直接、ホームネットワークにつなげるスマート家電も続々販売されています。例えばスマート冷蔵庫。冷蔵室や野菜室の食材を、外出先からでもスマホで確認でき、買い物の際、重複買いや買い忘れ防げる機能や、冷えが悪いなどの異常があった場合には、メールでそれを知らせる機能などを備えている機種が登場しています

スマート冷蔵庫の中には、扉の開閉状況をスマホやパソコン、タブレット端末で確認できる機能を備えた機種もあります。一定期間、開閉がない場合、メールで通知することも可能なので「見守り」に使えます。具体的には、離れた場所で生活する高齢者の家にスマート家電対応の冷蔵庫と無線LAN環境を導入すれば、扉の開閉状況を通じて、元気に生活しているかどうか確認できるのです。

スマート家電は、冷蔵庫以外に、エアコン、洗濯機、電子レンジなど様々な種類が発売されています。家電を買い換える時には、ぜひ選択ポイントの1つにしてください。

従来は、それほど重視されていなかった家電の中で、スマート化によって注目を浴びているのがスピーカーです。「スマートスピーカー」と呼ばれるタイプで、「〇〇、今日の天気は?」などとテーブルに置かれたスマートスピーカーに呼び掛けるテレビコマーシャルを見たことがある人も多いのではないでしょうか。音声認識と人工知能の技術を使うスマートスピーカーは、室内の無線LANを経由してネットに接続し、問いかけられた情報をネットで検索、スピーカーで回答する仕組みです。

ネットワークカメラやセンサーで暮らしを守る

ホームネットワーク構築で、非常にレベルアップすることが可能なのが、安心・安全です。玄関や裏口はもちろん、室内にも防犯カメラを設置して、外出先からチェックすることができます。ネットワークカメラやWebカメラと呼ばれる機器は、多くの種類がありますから、使い方によって適したタイプを選ぶ必要があります。

室内へのカメラの設置は、家族の見守りや室内で飼っているペットの様子のチェックにも役立ちます。共働きが普通になった今、学校から帰った子どもの様子や、高齢な両親の様子を確認する手段として最適です。マイクとスピーカーを内蔵し、会話が可能なネットワークカメラなどが、見守りには最適ではないでしょうか。

防犯強化には、玄関や勝手口に人感センサーを設置し、人の動きを検知してネットワークカメラで録画したり、窓や扉に開閉センサーを取り付け、窓や扉が開いたときに無線LANコントローラー経由で外出先のスマホに通知したりすることも可能です。防犯用途だけでなく、扉や手すりにセンサーを取り付け、扉を開けて外出した、手すりを使っているので在宅しているといったように、高齢者などの見守りにセンサーを活用することも考えられます。

家庭に先行して、すでに多くのオフィスで情報ネットワークが構築されています。その目的の1つに情報の共有化があります。社内に設置されたサーバーに社員が共通して使うデータを保存しておき、それをネットワークを通じて各自の端末で使うといったことをやっている方は多いのではないでしょうか。

ホームネットワークも同様の使い方ができます。例えば、書斎のパソコンの記憶装置に録画したテレビ番組や映画を、居間や寝室のテレビで閲覧するといった使い方が可能になります。あるいは、台所で料理の際に参考にしたインターネットの料理サイトのレシピを、知人に教えようとプリントする際、書斎においたプリンターを活用するといったケースも考えられるでしょう。

オフィスが急速にネットワーク化されたように、今後、住宅もネットワーク化が当たり前になり、多くの家電や設備が接続されるでしょう。その際に、注意しなくてはならないのがセキュリティ対策です。

例えば、スマートスピーカーで音楽サービスを利用するために、ユーザー登録したメールアドレスなどの情報が悪意のある第三者に盗み取られるリスクもあります。パソコンのセキュリティ対策だけでなく、ホームネットワーク向けのセキュリティ製品も提供されています。無線LAN、有線LANにかかわらず、安全・快適にホームネットワークを利用できる情報通信環境を合わせて考えたいものです。

著者

山崎 俊明

テクニカルライター。国内外のIT企業のソリューション、ネットワーク機器、セキュリティ、通信キャリア、クラウド事業者など、ネットワーク及びセキュリティ関連記事の取材・執筆を担当。

※本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。