【シリーズ連載】親子で暮らす?近くに住む?二世帯住宅と近居を考える(第八話「親子が仲良く暮らすためのポイント編–近居がスタート。ほどよい距離感が大切編–」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.40

この記事の概要

  •  嫁姑が仲良く暮らせる理想の距離は、1〜9㎞が36.8%と最も多い。
  •  「嫁姑は別居したほうがうまくいく」と回答としたのは70.8%。嫁が姑と仲良くするコツの1位は「つかず離れずの関係を保つ」こと。
  •  「気を遣うのが嫌」が、姑と同居しない理由の第1位で、今後、姑と同居したいという人は3%未満。
  •  お互いを尊重し、困ったときには助け合いながら暮らしていくというような“つかず離れず”の嫁姑関係が理想的と言える。

第八話「親子が仲良く暮らすためのポイント編」

【Aさん・Bさん親子】
親のこれからについて、心配するようになってきた共働き夫婦のAさん。結婚後は電話やメールで連絡を取り合っていたが、最近子どもができたことで親との同居や近居を検討中。親世帯のBさんは、子育てがひと段落して夫婦水入らずの生活を送っていたものの、息子夫婦のこれからを考えて、できる限り協力したいと考えている。

親子が近くに住むことで、お互いのことが今まで以上に気になり過干渉になってしまうこともあります。仲良く、長く近居を続けていくためには、気持ちも日々の過ごし方もほどよい距離感が大切でしょう。今回は、アットホーム株式会社がお嫁さんに実施した「“嫁姑”と“住まい”の関係」についてのアンケート結果をもとに、実情を見ていきたいと思います。

嫁姑が仲良く暮らせる理想の距離は、1〜9㎞が最も多いという結果に

Q.一番仲良くいられそうな、自宅とお姑さんの住まいの距離は、何㎞ですか?(対象:620名、有効回答:620名)※現在、姑と同居している方には「もしも、お姑さんと別々の住まいで暮らすとしたら」として質問

一番仲良くいられそうな、自宅とお姑さんの住まいの距離は、何㎞ですか?(対象:620名、有効回答:620名)

お姑さんと同居もしくは別居しているお嫁さんに「嫁姑が仲良くいられそうな、自宅とお姑さんの住まいの距離」を聞いたところ、平均は69.8kmという結果になりました。ただし、「10,000km」という回答が1名いたことで平均値が引き上げられているだけで、分布図を見ると「1~9km」(36.8%)、「10~19km」(20.0%)で半数を超えているのがわかります。
2009年の調査よりも「1~9km」が10%以上減り、より遠い距離の割合が増えていることから、仲良くいられそうな理想の距離は長くなっているようです。

「嫁姑は別居したほうがうまくいく」回答としたのは70.8%

Q.嫁姑は別居した方が、関係がうまくいくと思いますか?(対象:620名、有効回答:620名)

嫁姑は別居した方が、関係がうまくいくと思いますか?(対象:620名、有効回答:620名)

「嫁と姑は別居した方がうまくいく」と考えている方は、全体で70.8%という結果。お姑さんと別居しているお嫁さんは56.5%、同居しているお嫁さんは85.2%という内訳です。「いいえ(=同居したほうがうまくいく)」の割合は、同居中のお嫁さんのほうが高いですが、それでもわずか6.5%という結果でした。

嫁が姑と仲良くするコツの1位は「つかず離れずの関係を保つ」こと

Q.お姑さんと仲良くするコツを以下の中から3つまでお選びください。(対象:620名、有効回答:620名)

お姑さんと仲良くするコツを以下の中から3つまでお選びください。(対象:620名、有効回答:620名)

嫁姑が仲良くするコツの全体の1位は、「つかず離れずの関係を保つ」(63.9%)でした。同居(59.0%)、別居(68.7%)と現在別居している方の割合が若干高くなっています。同居・別居別に見てみると、同居の場合は一緒に暮らしているせいか「聞き流す」が33.2%で2位、「役割分担をする」は14.2%と、別居に比べると数値が高くなっています。別居の場合は「つかず離れずの関係を保つ」が約7割を占め、「お姑さんの記念日を祝う」や「なるべく聞き役になる」といったことにも、同居に比べると気を遣っているようです。

「気を遣うのが嫌」が、姑と同居しない理由の第1位

Q.お姑さんと同居しない(していない)理由を教えてください。(対象:姑と別居中の嫁310名、有効回答:310名、複数回答可)

お姑さんと同居しない(していない)理由を教えてください。(対象:姑と別居中の嫁310名、有効回答:310名、複数回答可)

お姑さんと別居しているお嫁さんに同居しない理由を聞いたところ「気を遣うのが嫌だから」が 45.2%で1位でした。一方、「住む場所が遠すぎるから」(31.6%)、「今の住まいを離れるのが嫌だから」(13.2%)など、嫁姑関係だけでなく、生活基盤を変えたくないということが理由の人もいるようです。

今後、姑と同居したいという人は3%未満

Q.今後、できることなら、お姑さんと同居したいですか?(対象:姑と別居中の嫁310名、有効回答:310名)

今後、できることなら、お姑さんと同居したいですか?(対象:姑と別居中の嫁310名、有効回答:310名)

お姑さんと別居中の人に「今後、できることなら、お姑さんと同居したいですか?」と聞いたところ、81.3%が「いいえ」という回答でした。「はい」と答えたのは2.6%で、同居を望まない層がほとんどを占めているという結果になりました。

“つかず離れずの関係”が理想的

“同居はしないまでも、ある程度行き来がしやすい場所に住み、つかず離れずの関係を保つ”という「近居」というスタイルがうまくいくためのポイント、と考えているお嫁さんが多いようです。また、同居していない理由の第1位は「気を遣うのが嫌だから」でしたが、その点を理解し、近居であっても一定の距離を保つようにすることが円満のコツと言えます。長い付き合いになるわけですから、お互いを尊重し、困ったときには助け合いながら暮らしていくというのが理想的と言えるかもしれません。
何ごともやり過ぎは禁物です。必要な時に、必要な分だけ手を貸すことで、素直な気持ちで感謝することができ、良好な関係へとつなげていけるのではないしょうか。


調査概要「“嫁姑”と“住まい”の関係」
調査方法・・・インターネットによるアンケート調査
対象・・・関東圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、栃木県)と関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県)在住の25~49歳既婚女性で、姑と同居している人、別居している人各310名、計620名
調査期間・・・2016年8月13日 土曜日~15日 月曜日
※小数点第2位を四捨五入しているため、合計100%にならない場合があります

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2018年12月26日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合があります。

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