初めての不動産購入 頭金はどのくらい必要?

初めての不動産購入で知っておきたいこと vol.1

初めての不動産購入 頭金はどのくらい必要?

子どもが大きくなったし、そろそろマイホームが欲しいな」と考えて、インターネットで物件情報を探したり、新聞に入ってくる折り込みチラシのチェックを始めたり……。けれど、並ぶ数字はどれも数千万円もするものばかりで支払いに不安も。今回は最初に必要な頭金について考えていきましょう。

頭金は2割用意?!

頭金は2割用意?!「頭金は物件価格の2割を用意しておくこと」。住宅購入に関する記事を読んで、このようなフレーズを見たことがあるという方もいらっしゃると思います。これは、以前はほとんどの融資割合の限度が物件価格の8割までだったからです。つまり“残りの2割を頭金として用意しておかないと、融資を受けることが難しかった”ということになります。しかし、民間では融資限度額が物件価格の9割以上やや 100%OKのところも増えてきていますし、フラット35においても100%融資可能なケースがあります。さらに、別途かかる購入時の諸費用についてもローンが組めるなど、住宅購入時の自己資金についてはハードルが低くなっているのが実状です。

頭金別、返済負担の違い

ここでは、頭金の割合や返済負担を試算表とあわせて見てみることにしましょう。 物件価格4,000万円・金利1.315%・返済期間35年・ボーナス返済なしの場合、頭金がゼロで住宅ローンを組んだケースでは、月々の返済額は約12万円です。表をみると、頭金の割合が1割、2割と増えるほど約1万円ずつ減っているのがお分かりになると思います。しかし、このように月々では数万円の差と思っていても、この負担は、返済期間が長くなるほど総返済額に影響してきます。よって、長期の返済を考えている人ほど、頭金の割合を多めに設定しておくことによる効果が顕著に現れることになります。

■試算表:頭金の割合別 返済負担額
(物件価格4,000万円・金利1.315%・返済期間35年・ボーナス返済なし)

頭金の割合(割) 返済額(概算額)
総額
0 11.9万円 142.7万円 4993.1万円
1 10.7万円 128.4万円 4493.8万円
2 9.6万円 114.2万円 3994.5万円

※頭金の割合で比較している表のため、以外の条件は同一としています。実際はお借入時の金利が適用となり、お借り入れの条件によっても金利は異なりますのでご注意ください。 ※上記返済額は概算値です。1000円未満の端数を切り上げて表示しています。

年収によって考えるポイントは異なる

一方、現在まとまった頭金がなくても、年収が多めであれば、月々の返済額をアップして今すぐ欲しい物件を購入しておくという考え方もあります。一般的に返済負担率は年収の25%以内に収めるのが理想的といわれていますので、その範囲内でしっかり返済していけるのであれば、自己資金がなくても今が買い時と判断していいかもしれませんが、毎月の返済負担額が大きくなることを踏まえ、慎重に検討しましょう。

年収によって考えるポイントは異なる

無理のない資金計画を

無理のない資金計画をせっかくマイホームを手に入れても日々の生活が苦しくなっては意味がありません。どんなケースでも無理のない返済計画となるように、自己資金についても考えていきましょう。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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