販売活動をしてはや半年。売却できない時のために知っておきたい3つのこと

住み替えと売却の前に知っておきたいことVol.7

この記事の概要

  •  売却時に不動産会社と締結する媒介契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約のいずれかを選択するが、それぞれ特徴があり、契約を変更することで売却へつながる可能性がある。
  •  販売価格が原因で売却に至らないケースが多い。販売価格を見直す際は不動産会社のアドバイスを受けて最適な価格設定をすることが重要。
  •  内覧者が多いものの売却が決まらない場合は、内覧者へのヒアリングを徹底すること。そこから改善点を見出し、適切な対応をとることが早期売却への近道となる。

住み換えや資産の組み換えなどで不動産を売却する場合、販売活動を通して購入希望者を募っていくことになります。しかし、なかなか購入希望者が現れず、半年経っても売却に至らないというケースの場合、「このまま売れないのでは」と不安になってしまうこともあるでしょう。今回は、売却できない時に知っておきたい3つのポイントについてお伝えしていきます。

媒介契約や不動産会社を見直す

不動産を売却する時は、不動産会社と媒介契約を結んで販売活動を進めていきます。この媒介契約には、複数の不動産会社に販売活動を依頼できる「一般媒介契約」、一社としか契約を結べない「専任媒介契約」、一社としか契約を結べず、買主を自分で見つけることができない「専属専任媒介契約」があります。それぞれ他にも特徴はありますが、詳しくは下記リンク先を参照してください。

信頼できる1社に対し「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を継続している場合、「一般媒介契約」に切り替える方法があります。
売却物件エリアに地域密着営業し、的確なアドバイスが期待できる会社や、ネット集客に強みのある会社など、営業戦略に特徴がある複数の不動産会社に依頼した方が、売却へつなげられる可能性が高まる場合があります。
ただし、複数の不動産会社を相手にやり取りし、どの選択が最適化を自らの判断で考える必要があるので、不動産取引に慣れた方に有効かもしれません。

販売価格は適正? 今一度相場と付け合わせてみる

販売活動を始めてから3ヶ月を迎えるころから、売却に至っていない場合は販売価格の見直しを提案されるようになります。でも、そんなに安く売りたくない、住み換え先への支払い予定が変わってしまう、いつかは売却できるはず!という方も中にはいるでしょう。相場とかけ離れた物件は、購入対象から外されてしまうこともありますし、繰り返し広告され、販売期間が長引けば長引くほど、「何か欠陥でもある物件なのかな?」と敬遠されてしまう可能性もあることは認識しておきましょう。

価格を下げるにあたっては、どのような戦略を立てるかが重要になります。少しずつ下げて様子を見ながら調整していくか、一気に下げるかで購入検討者の印象は変わってきますが、半年過ぎてしまっても、まだ時間が取れる場合は前者、もう売却しないと以降の計画に影響が出てしまう場合は後者というように考えてみると選択しやすいかもしれません。
また、大体どのくらいの価格で売れるのかを担当者にアドバイスをもらったり、不動産会社が持つ過去の類似物件の購入・売却データなどを確認したりしながら、ご自身がその値下げ幅に納得できるかどうかも重要になります。正しい判断をするためには、不動産会社が持つデータの質・量、そして営業担当者の経験・ノウハウがひとつの見極めポイントである点も覚えておきましょう。

内覧は毎週のようにくるけれど、購入希望者が現れない原因を把握

“立地も広さも申し分なし。価格も適正なのに内覧者が購入に至らない”というケースでは、内覧者へのヒアリング結果を見直してみましょう。なぜ断られたのかを把握し、指摘された箇所を改善するだけで印象は変わるはずです。その場合、実際に高額のリフォームなどを行う必要はなく、例えばリフォーム業者に見積もりとイメージ図を作成してもらい、内覧に来た方の参考資料として提示すれば、イメージづくりの一助となるでしょう。他にも、第一印象となる玄関まわりをスッキリさせておく、空気を入れ換えておく、室内の電気を点灯して明るくしておくことなどちょっとした気遣いもしておくといいでしょう。

購入希望者へのヒアリングを不動産会社の担当者に徹底してもらうこと、そして適切な提案が出てくる不動産会社かどうかをしっかり見極めることが早期売却のためには重要です。

最適な方法を選択するために、不動産会社に相談を

今回紹介したことを見直していくことで、売却につながる可能性があります。物件によっても最適な方法は異なるので、不動産会社に相談し、最適な提案を受けることが賢明と言えるでしょう。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。