不動産売却のポイント~物件購入における買主の気持ち

アンケートから分かる購入・売却の「ポイント」Vol.9

不動産を売却する際は、できるだけ高い価格・早いタイミングで売却したいと考える人が多いと思います。その要望を実現するためには、買主のニーズを把握することが必要と言えます。今回はアットホーム株式会社が行ったアンケート「選んだ理由、迷った理由」を元に、買主の中古住宅に対するニーズとは何かを見ていきましょう。

中古マンション購入者は苦労したと感じる人の割合が高い

中古マンション購入者は、他の住宅タイプ(新築マンション・新築一戸建て・中古一戸建て)に比べて、住まい探しに苦労した様子が伺えます。また、“もっとお得な物件があるのではないか不安”と最後まで迷う傾向が見られる一方、最終的には直感やインスピレーションを決め手にしていることがわかります。

住まい探しをする際に、苦労しましたか?<択一>

住まい探しをする際に、苦労しましたか?<択一>

購入を決める際に、最後まで迷ったことや不安だったことは何ですか?<複数回答>

購入を決める際に、最後まで迷ったことや不安だったことは何ですか?<複数回答>

購入した物件の最終的な決め手は何ですか?<択一>

購入した物件の最終的な決め手は何ですか?<択一>

● 中古マンション購入者の傾向は?

中古マンションの購入者においては、直感やインスピレーションが決め手となる人の割合が高い傾向にあるようです。内見に来た時に「ここに住みたい!」と思ってもらえるように、玄関に入ったときや室内の印象を良くしておくことなどがポイントと言えそうです。すっきり、広く、明るく、きれいに見えるように心掛けておくといいでしょう。

参考記事:「素早く売却するための内覧への対応とは?」

中古戸建購入者は瑕疵・不具合に不安を持つ割合が高い

「購入を決める際に最後まで迷ったことや不安だったことは何ですか?」の問いに対して、物件に瑕疵(かし)・不具合がないか不安と思っている人が他の住宅タイプに比べて多くなっています。また半数が購入後リフォーム・リノベーションを予定していることも特徴と言えます。

購入を決める際に最後まで迷ったことや不安だったことは何ですか?<複数回答>

物件に瑕疵・不具合がないか不安

※ アンケート結果から上記項目のみ抜粋

今後、リフォームやリノベーションをする予定はありますか<択一>

今後、リフォームやリノベーションをする予定はありますか<択一>

● 瑕疵保証と建物状況調査

中古物件を売却後、契約時に売主と買主が知り得ることのできなかった瑕疵が見つかることも少なくありません。その場合、「瑕疵担保責任」といって、売買契約時に取り決めた期間内に瑕疵が見つかったときは、売主が補修等の対応をする責務があり、その内容に応じて補修費用の負担が必要となります。このような、買主の懸念と売主の負担を軽減するために「既存住宅売買瑕疵保険」という制度があります。加入は任意で保険料と建物状況調査手数料が必要となります。
建物状況調査は第三者が建物のコンディションをチェックするため、その情報を購入希望者が物件購入の判断材料にすることもできます。購入希望者は、物件情報に加えて第三者がチェックした建物のコンディションを加味しながら検討できるので、不安は軽減され、売却後に知り得なかった瑕疵が見つかるというようなトラブルの軽減にも効果が期待できます。

参考記事:インスペクション(住宅診断)と保険で中古がより安心に

物件購入の迷いと不安の解消に努める

不動産は大きな買い物であるがゆえに、購入に慎重になり、考えれば考えるほど迷いや不安が生じるのも当然と言えます。物件売却にあたっては、買主のマインド(気持ち)を把握し、購入のハードルや不安をできるだけ取り除いであげられるよう配慮することが成功への近道です。

調査概要 選んだ理由、迷った理由。~住宅購入のプロセス&マインド~2016

調査方法・・・インターネットによるアンケート調査
対象・・・首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)在住の、過去2年以内(2014年2月以降)に自己居住用として住宅を購入した、20歳~49歳の男女
調査期間・・・2016年2月23日 火曜日~2月25日 水曜日
※小数点第2位を四捨五入しているため、合計100%にならない場合があります

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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